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大野原児童館のけん玉教室で教える子安さん |
数え切れないほどの技があると言われるけん玉。NPO法人「日本けん玉協会」が技の定義から級・段の認定、各種行事の開催などけん玉の普及を行っていることから、現在では幅広い年齢層に親しまれ、手軽に楽しめるスポーツとして人気がある。千葉県香取市に住む子安三彦さん(64)もけん玉を楽しんでいる中の一人。けん玉を始めて20年、「けん玉道5段」の腕前の持ち主である。
16日は鹿嶋地区で初の大会
江戸時代にシルクロードを通って、長崎港から入ってきたとされる「けん玉」。今ではよく見かける普通のおもちゃだが、その遊びをただ玉を棒に入れるだけのものだと思っている人も多いのではないだろうか。
以前子供と出掛けたデパートで何気なく買い求めた競技用のけん玉。しばらくして遊ばなくなった子供の代わりに、自分が習おうと考えた子安さんは日本けん玉協会に問い合わせた。すると「ちょうど近く行われるけん玉の全国大会があるから」と見学を勧められた。気軽な気持ちで会場に行き、「すごい技に驚き、感動しました」。
それからは東京にある教室に2カ月に1度通い、休みになると朝から晩まで夢中で練習することもあった。やがて行動的な子安さんは会社のある鹿嶋をはじめ、何度か転勤になった大阪でも社内からけん玉仲間を募り、支部を立ち上げるなどリーダーシップを発揮。
中でも阪神淡路大震災に遭遇した時には、復興支援ボランティアの活動に参加し、小学校や避難所の子供たちにけん玉を教え大いに喜ばれた。それらの活躍はテレビや新聞などにもたびたび登場するほどである。
けん玉には皿系、飛行機系、とめけん系など10種類以上の技が分類されており、また、「大皿」が1回出来たら10級、けん先すべりが4回出来たら2段など、級や段の認定基準がはっきりしているため目標を持ちやすくやりがいがある。
「日本けん玉協会・鹿島支部」の支部長としてまた、協会公認の1級審判員・指導員としてその普及・指導に力を注いでいる子安さんは「練習する1〜2時間の間、膝を使うのでいいスクワットになります。男性のおもちゃのイメージが強いですが、実際は忍耐強く練習する女性の方が向いているようです」と話す。
「人に指導するには自分も常に努力しなければなりません。自分が指導した人が昇級していくのを見るのはとてもうれしいですね。会社勤めの時にはなかった、多くの違う世界の人達と話す機会があることも楽しいです」
5年前に定年を迎え、現在は、「県生涯学習センター」や「県社会福祉協議会」を始めとする団体にボランティア登録をする一方、神栖市大野原児童館で週一回のけん玉教室を開く。また小学校を始め、多くのイベント会場などでもけん玉を披露するなど幅広く活動している。
16日(水)には指導している大野原児童館を会場に、鹿嶋地区で初めてのけん玉大会を開く予定だ。
「子安さんの得意技は」と聞いてみると「うずしお灯台」との返事。それはどうやらウルトラCらしいのだが、照れながらもそれを実演して見せてくれる姿は少年のように輝いている。けん玉を始める前は、趣味もなく日曜日もごろごろしているだけ。妻からは「定年になったらどうするの」と心配されたそうだが、現在は「いい趣味ができたわね」と言われるほど充実した毎日だ。
けん玉に興味のある人からの依頼があれば、喜んで指導してくれるということなので連絡してみるとよい。
問い合わせはTEL.080・6750・7410 |
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